沢田綱吉

 


「ここは、どこだ?」
 それが第一声だった。
 奇妙な気分だ。醒めない夢があるなら、こんな感じじゃないかなって思う。
 オレを取り囲む世界はただ真っ白で、空も地面もなくて、平面な紙のなかに閉じ込められたような気分がする。しかも、オレってば浮いてる。
「また、リボーンがらみじゃないだろうな……」
 ぶつぶつうめきながらも、とりあえず、クロールをした。ずっと前に獄寺くんたちに教えられたのが役立った。 体はすいすい前へと進んでいく……。
 ふいに、視界がパッと開く。白が黒にすりかわる。それから、色をとりなしていった。
 開けた公園にたっていた。でもまだ夢が終わっていないと、空に描かれたプラスとマイナスとトーン記号と、不揃いな、でたらめな景色が物語っている。
  けれども、ブランコの彼には空は見えていないようだった。
  静かに俯き、自らの爪先を眺めている。誰だろう。遠目でもわかった。
  そこにいるのは、ひとりの――少年。誰かととてもよく似ているんだ。その誰か。ひっかかってる。遠目でもわかるんだ。そのひとは――。



雲雀恭弥

六道骸

ディーノ