淡々とした語り口調だった。
しばし、無言になる。数分後に綱吉が感想を捻りだした。
「シュールだな」
「そうですね」
互いに木ベラを咥える。
綱吉には信じがたかった。この従兄弟の趣味やら良識やら色々なものを疑いかけるが、しかし、彼の両耳に穿たれたピアスの数を見てなんとなく納得する。納得しようと努力していた。
しかし、この薄ら寒さはアイスのせいか?
「なんだか、それに出てきた男の子、少し可哀相だな。巻き込まれちゃったんだ?」
「……ええ……」
横目が綱吉を窺った。声もなく、ただ口角の右端をニィッと吊り上げられて困惑した。
「なに?」
「次の話はもっと刺激的ですよ」
まだ話す気か。呆れかけたが、しかし、存外に真面目な顔をしたので顎を振った。曖昧な頷き方だったが、骸が気にする様子はなかった。
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