快感

 

 
  ――ヒバリの肩に座るリボーンも、ふうとため息をついた。
「世話の焼けるガキ共だぜ」
 どこか労わりの混じった言葉である。ツナは穏やかにリボーンへと視線をやった。
  ――が、ヒバリのこめかみに突きつけられた銃口を認めて、全身を硬直させた。
「りっ、リボ……ッッ?!」
「あ? だって、コイツにゃボンゴレ十代目を誘拐した責任もとって貰わねえと」
 平然と、いつもと変わらずに。
 ツナの脳裏にヒバリの言葉が浮かぶ。君が知らないだけでと、そう確かにヒバリは言ったのだけど。リボーンならやりかねないと、そう確かに思ったのだけど。「ば、ばかやろ……っ」
 罵倒を吹き消したのは、銃声だった。

 ―― 『死ぬ気でファミリーに入ってあげる』
 両手を頬に添え、少年は常軌を逸した眼差しを向ける。

 リボーンに食って掛かっていたツナは、唖然として口をパクパクさせた。
『綱吉は僕の傍にいるんだよね。約束だよ。僕も綱吉から離れないから』
「ヒッ、ヒバヒはん」
 下唇を噛まれ、ひぃっと息を呑む。構うこともなく咥内に潜り込んだ。ぐにょりとしたもの。舌だ。歯列をなぞられひくりと眉根が戦慄く。両手は尋常でない力に縛められ、動かすこともできなかった。


「……――――っ?!!」
(し、死ぬ気弾……っ)
 するりと指が滑り込む。
 上半身が肌蹴られたが、
 その間もひたすらに口付けが続く。
 朦朧とした。ショックがためか、それとも違う何かのためかはわからなかった――。
 鈍い音が唐突にひびく。
 ヒバリに倒れかかられて、
ツナはぜえぜえと荒く息をついた。
 後ろで、リボーンが拳銃のグリップを振りまわす。
 くりくりした瞳には、呆れたようにヒバリを見下ろしていた。



「俺の前で盛ってンじゃねー」
「た、助かっ……た?」
 ぜええ、と、ひときわ大きく息をして、ツナは脱がされかけたジャケットを引っぱり戻した。
 つなよし、と、 肩によりかかったままのヒバリが唇だけでうめいていた。

 

 







>>「凍えた秋が明けて」
の、告白シーン!(笑)をイメージした
ステキイラストでございます。チップさまよりいただきました…!!
ありがとうございます! 勢い余って少し↑は微量ながら加筆してあります。死ぬ気の炎を額で燃やすヒバリさんはもちろん、酔った眼差し、ビックリしつつも赤らんでるツナと、すてきな組み合わせを見事に表現されてますっ。そうかツナはこんなに脱がされていたのかーとヒトリで恥かしくなっていました。チップさま、ありがとうございますーv

>>もどる